『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』
原題："Jurassic World Dominion"
製作年：2022年
製作国：アメリカ合衆国
公開日：2022年6月10日
作品について
コリン・トレヴォロウ監督・エグゼクティブプロデューサー。
エミリー・カーマイケル & コリン・トレヴォロウ 脚本。
デレク・コノリー & コリン・トレヴォロウ 原案。
フランク・マーシャル プロデューサー。
スティーヴン・スピルバーグ エグゼクティブプロデューサー。
『ジュラシック・パーク』フランチャイズの第6作。
『ジュラシック・ワールド』三部作の第2作。
『ジュラシック・パーク』シリーズから、アラン・グラント(サム・ニール)とエリー・サトラー(ローラ・ダーン)が再登場。
また『ジュラシック・ワールド』シリーズに既に登場していたイアン・マルコム(ジェフ・ゴールドブラム)とヘンリー・ウー(B・D・ウォン)も再登場し、『ジュラシック・パーク』(1993)のオリジナルキャラクターが再集結した。
SFアクション映画。
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感想
おもしろい。
コリン・トレヴォロウ監督は『ジュラシック・ワールド』三部作の監督・脚本家として一応まとめたね。放置した設定もあるけれど。
メイジーはシャーロットの娘であり、シャーロットが遺伝子疾患を子どもに受け継がせないために遺伝子操作した。
初のヒトクローンとしてメイジーを掘り下げなかったのは、『ジュラシック・ワールド 炎の王国』を観て期待していたのとは違っていたので残念。
ヒトクローンの倫理的な可否の問いが、ヒト、恐竜、さらには生物全般への生命倫理を問う話につなげられたのに。『炎の王国』で、メイジーが恐竜たちにクローンである自分を重ねて同情し、見殺しにせず世界に解き放ったのは、その布石だと思っていた。
人類と恐竜が共存する世界。共存と言えば聞こえはいいが、恐竜関連の犯罪や事故が多発している。問題は解決していない。
恐竜よりも巨大イナゴが印象に残る作風。
証拠隠滅のために研究室を焼却処分したら、通風孔から巨大イナゴの大群が逃げ出す。確かに強化ガラスは突き破れないが。どんなずさんな設計・建設なのか。自然科学の研究施設は設計・建設に厳格な基準があるのに。
Biosyn Genetics CEO Dr. Lewis Dodgson は Apple CEO Tim Cook にそっくり。マイケル・クライトンの小説では、Dr. Lewis Dodgson は Biosyn Corporation の従業員として登場する。『ジュラシック・パーク』(1993)ではデニス・ネドリー(ウェイン・ナイト)と取引していた相手。
ルイス・ドジスンはデニス・ネドリーに盗ませた恐竜の胚を所有している。Netflix で配信しているテレビアニメーションシリーズ『ジュラシック・ワールド サバイバル・キャンプ』(2020-2022)のシーズン5で明かされた。Zack Stentz が開発・コンサルティングプロデューサー、Scott Kreamer & Aaron Hammersley がショーランナー。スティーヴン・スピルバーグ監督、コリン・トレヴォロウ監督、フランク・マーシャルがエグゼクティブプロデューサー。
ヘンリー・ウー博士は、『ジュラシック・ワールド』第1作第2作では悪堕ちしたマッドサイエンティストとして描かれていたが、第3作では自分の過ちを後悔し償いをする。『ジュラシック・パーク』シリーズの好きなキャラクターの1人だったので、完全な悪人ではなくてよかった。
『ジュラシック・ワールド 炎の王国』(2018)の主要撮影は2017年2月24日から7月8日。『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』(2022)の主要撮影は2020年2月24日から11月7日。Isabella Sermon はティーンエイジャーになった。子どもの成長は早い。
演出
グラント博士とサトラー博士の再登場にあたって、コリン・トレヴォロウ監督はスティーヴン・スピルバーグ監督の演出をオマージュした。
サトラー博士が農場で虫害の光景を目の当たりにしたシーンは、グラント博士やサトラー博士たちが生きている恐竜(ブラキオサウルス)を初めて見たときの驚きのオマージュ。裸眼で見ようとサングラスを外す。スティーヴン・スピルバーグ監督は、登場人物が画面の外にいるものに驚く表情をクロースアップで写し、その後でその物体を観客に見せる、という演出を用いる。
グラント博士は化石の発掘現場で子どもたちと会話する。『ジュラシック・パーク』(1993)での初登場シーンの再現。
グラント博士は『ジュラシック・パーク』(1993)の序盤では子どもが苦手な学者として描かれていたが、恐竜の暴走から子どもたち(アレクシスとティム)を守るうちに、子どもとの接し方を身に着けた。『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』ではサトラー博士やメイジーたちとともに脱出する。
グラント博士とサトラー博士の再開は巨大なテントの中で。トレーラーハウスの中で、2人がジョン・ハモンドからテーマパーク「ジュラシック・パーク」に誘われたシーン。
グラント博士、サトラー博士、マルコム博士、メイジーが乗った車が崖から転がり落ちる。『ジュラシック・パーク』(1993)や『ロスト・ワールド ジュラシック・パーク』(1997)の車のシーンのオマージュ。
ひっくり返った車に隠れてギガノトサウルスから逃げるシーンは、『ジュラシック・パーク』(1993)のティラノサウルスのオマージュ。マルコム博士が松明を振り回してギガノトサウルスを引き付けるのも、車の発炎筒を振ってティラノサウルスから助けようとしたことの再現。前回は発炎筒を投げてもティラノサウルスは発炎筒を追わずに失敗したので、今回は松明をギガノトサウルスの口の中に投げ入れた。
ティラノサウルスがテリジノサウルスと一緒にギガノトサウルスを倒して咆吼をあげるシーンは、『ジュラシック・パーク』(1993)でティラノサウルスがヴェロキラプトル2頭を倒して咆吼をあげるシーンの再現。
マルコム博士がグラント博士、サトラー博士、メイジーを救出するシーンで、実際はラムジー・コールがコードを入力して遠隔で開錠したが、マルコム博士が成功したと勘違いするコメディ。『ジュラシック・パーク』のテーマが流れる。
コリン・トレヴォロウ監督とジョン・シュワルツマン撮影監督は、『ジュラシック・ワールド』(2015)に引き続き2:1のアスペクト比で撮影した。他の監督作『ザ・ブック・オブ・ヘンリー』(2016)も2:1なので、2人のこだわりなのだろう。
Battle at Big Rock
『ジュラシック・ワールド 炎の王国』の関連作品として、短編映画 "Battle at Big Rock" (2019)がある。コリン・トレヴォロウ監督、エミリー・カーマイケル&コリン・トレヴォロウ脚本、フランク・マーシャル プロデューサー。
Battle at Big Rock | An All-New Short Film | Jurassic World
『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』の日本版BD/DVDに収録されている。北米、日本、中国、そして英語・フランス語・オランダ語・ドイツ語・イタリア語圏の国限定らしい。
The short film was included on the Blu-ray and DVD releases of Jurassic World Dominion (which was exclusively in North America, Japan, China, English, French, Dutch, German and Italian speaking countries).
Legendary Pictures
Legendary Pictures は Universal Pictures との5年間のパートナーシップ契約が終了したので、『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』には関わっていない。
https://jurassicoutpost.com/legendary-entertainment-may-not-be-involved-with-jurassic-world-3/
Legendary Entertainment は2018年に再び Warner Bros. Pictures と配給契約を結んだ。
Warner Bros. Discovery が動画配信事業 HBO Max を優先して劇場公開を蔑ろにしていること、Warner Bros. Discovery CEO David Zaslav の鶴の一声でほぼ完成していた "Batgirl" や "Scoob! Holiday Haunt" などの作品をお蔵入りにしたこと、それらの重大な決定を監督やプロデューサーや製作会社に事前に相談しないなど不義理を重ねたことから、Legendary Entertainment は Warner Bros. Pictures との契約を終了させ、2022年に Sony Pictures と世界配給契約を締結した。
キャスト
オーウェン・グレイディ - クリス・プラット(玉木宏)
クレア・ディアリング - ブライス・ダラス・ハワード(木村佳乃)
メイジー・ロックウッド - イザベラ・サーモン(住田萌乃)
アラン・グラント - サム・ニール、日本語吹替(菅生隆之)
エリー・サトラー - ローラ・ダーン、日本語吹替(井上喜久子)
イアン・マルコム - ジェフ・ゴールドブラム、日本語吹替(大塚芳忠)
ケイラ・ワッツ - ディワンダ・ワイズ、日本語吹替(伊藤沙莉)
バイオシン社
ルイス・ドジスン - キャンベル・スコット(井上和彦)
ラムジー・コール - ママドゥ・アティエ(日野聡)
ヘンリー・ウー - B・D・ウォン(近藤浩徳)
恐竜密売市場
ソヨナ・サントス - ディーチェン・ラックマン(高山みなみ)
レイン・デラコート - スコット・ヘイズ(宮下栄治)
CIA
フランクリン・ウェブ - ジャスティス・スミス(満島真之介)
ジア・ロドリゲス - ダニエラ・ピネダ(石川由依)
バリー・センベーヌ - オマール・シー(安元洋貴)
ワイアット・ハントリー - クリストファー・ポラーハ
ジェレミー・バーニエ - ケイレブ・ヒアロン(かぬか光明)
その他
シャーロット・ロックウッド(少女期) - イザベラ・サーモン(住田萌乃)
シャーロット・ロックウッド(壮年期) - エルヴァ・トリル(平田裕香)
ゲンマ - ジャスミン・チウ(早見沙織)
ペレス - テレサ・チェンドン・ガルシア(水野ゆふ)
シーラ - ヴァラダ・セィスー(川庄美雪)
タイラー - ベン・アシェンデン(時永ヨウ)
ジェフリー - ジョエル・エルフェリンク(野沢聡)
演出：簑浦良平
翻訳：平田勝茂
日本語版制作：株式会社ニュージャパンフィルム
https://www.fukikaeru.com/?p=18617
https://www.fukikaekingdom.com/post-18617/
スタッフ
監督：コリン・トレヴォロウ
脚本：エミリー・カーマイケル & コリン・トレヴォロウ
原案：デレク・コノリー & コリン・トレヴォロウ
原作(キャラクター創造)：マイケル・クライトン
製作：フランク・マーシャル、パトリック・クローリー
製作総指揮：スティーヴン・スピルバーグ、アレクサンドラ・ダービシャー、コリン・トレヴォロウ
撮影監督：ジョン・シュワルツマン
プロダクションデザイン：ケヴィン・ジェンキンス
編集：マーク・サンガー
音楽：マイケル・ジアッチーノ
『ジュラシック・パーク』テーマ：ジョン・ウィリアムズ
衣装デザイン：ジョアンナ・ジョンストン
Visual Effects Supervisor: David Vickery
Visual Effects Producer: Ann Podlozny
Live Action Dinosaurs: John Nolan
Animation Supervisor: Jance Rubinchik
製作会社：アンブリン・エンターテインメント、ザ・ケネディ/マーシャル・カンパニー、パーフェクト・ワールド・ピクチャーズ
配給：ユニバーサル・ピクチャーズ
配給(日本)：東宝東和
Unit Production Managers: Patrick Crowley, Tim Wellspring, Cecil O'Connor (Canada Unit), Matt Jones (Malta Unit)
Aassociate Producers: Annys Hamilton, Tim Wellspring, Charlie Endean
Malta Unit Line Producer: Winston Azzopardi
First Assistant Director: Charlie Endean
Key Second Assistant Director: Ben Harrison
Second Assistant Director: Matthew Rawls
Floor Second assistant Director: Tom Reynolds
Crowd Second Assistant Director: Eileen Yip
Third Assistant Director: Jess Link
Base Third Assistant Directors: Anu Pekkarinen, Emyr Glyn Rees
Script Supervisor: Kelly Maracin Krieg
Supervising Art Director: Ben Collins
Senior Art Director: Rod McLean
美術監督：Tom Whitehead, Rhys Ifan, Jim Barr, Liam Georgensen, Chris Peters, Sarah Ginn, Quinn Robinson, Charlo Dalli (Malta Unit)
Vehicles Art Director: Oli van der Vijver
Assistant Art Directors: Sonia Kasparian, Dominique Law, Alex Bowens, Keely Lanigan-Atkins, Hugh McClelland, Luke Sanders, Petra Balogh
Standby Art Director: Mary Buri (Second Unit)
セットデコレーション：Richard Roberts, Carol Lavallee (Canada Unit), Sandra Zaffarese (Malta Unit)
Casting Director: Nina Gold
Hair & Makeup Designer: Siân Grigg
Hair & Makeup Supervisors: Karen Cohen, Belinda Parish (as Belinda Parrish) (Second Unit), Chantal Busuttil (Malta Unit)
2nd Unit Directors: Dan Bradley, Patrick Loungway
2nd Unit Director of Photography: Patrick Loungway
Switzerland Unit Aerial Director of Photography: Jeremy Braben
Stunt Coordinators: Dan Bradley, Ben Cooke
Assistant Stunt Coordinator: Marlow Warrington-Mattei
Canada Stunt Coordinator: Danny Virtue
In Memory of Wojciech Modrzewski
Production Sound Mixer: John Casali
Second Unit Sound Mixer: Alan MacFeely
Supervising Sound Editors: Al Nelson, Gwendolyn Yates Whittle
Re-Recording Mixers: Christopher Boyes, Pete Horner
Sound Designer: Al Nelson
Sound Design Consultant: Gary Rydstrom
Additional Sound Design: Pete Horner
Special Effects Supervisors: Paul Corbould, Cameron Waldbauer (Canada Unit)
Creature Effects Production Manager: Fawn Muller
Second Unit VFX Supervisor: Michael Bruce Ellis
VFX Production Supervisor: Adrianna Nielle Davies
Second Unit VFX Associate Production Supervisor: Lisa Wakeley
Visual Effects and Animation by Industrial Light & Magic (ILM)
ILM VFX Producer: Lee Briggs
ILM Executive VFX Producer:Jeanie King
Visual Effects Supervisors: Jeff Capogreco, Dan Snape, Alex Wang
Associate Visual Effects Supervisor: Jan Maroske
Animation Supervisors: Alexander K. Lee, Peter Tan
CG Supervisors: Dalmas Rémy (as Rémy Dalmas), Steve Ellis, Nihal Friedel, Steve Hardy, Anthony Zwartouw
Compositing Supervisors: Sam Bassett, Charles Lai
Model Supervisor: Ben Lambert
Visual Effects Art Director: Jason Horley
Medusa Facial Capture by Industrial Light & Magic and Disney Research Studios / Christopher Django Johnston, Laura Millar, Jamie Sims
Additional Visual Effects by Hybride
VFX Supervisor: Joseph Kasparian
VFX Producers: Louise Bertrand, Richard Martin
Compositing Supervisor: Olivier Gravel
Computer Graphics Supervisor: Emmanuel Pelletier
Visual Effects by Cheap Shot VFX
Additional Visual Effects by Stereo D
Additional Visual Effects by Lola VFX
Visualization Services by Proof London
Senior Previs Supervisor: Pawl Fulker
Previs Co-Supervisor: Dafydd Morris
Cyberscanning by LIDAR Lounge
Character Scanning by Clear Angle Studios Ltd
3D Conversion by DNEG Stereo
3D Producer: Adam Ohl
3D Editor: Travis Dultz
Show Stereo Supervisor: Yoichiro Aoki (青木洋一郎)
